たくみの紹介

Vol.4

人形と石画の家

樋浦 隆子

思いを乗せて丁寧につくる。
懐かしさ溢れる和装人形とつるし雛

愛らしい人形とつるし雛、そしてネコやダルマが描かれたユニークな石画たちに迎えられる「人形と石画の家」。明治・大正時代の貴重な生地を使った人形づくりや、淡路島の御影石を使った石画づくりを、店主の樋浦隆子さんに教わりながら体験できます。

かつて東京で美容院をやっていた樋浦さん。人形を使った着付けを教えていたのをきっかけに人形づくりを始め、埼玉県の岩槻や、つるし雛で有名な伊豆で学び、工房を探していた頃に、たまたまたくみの里を訪れます。
元々樋浦さんが明治・大正時代の生地を集めて人形をつくっていたこと、たくみの里の地域に養蚕の歴史があることなどが決め手となって、工房を構えることになりました。貴重な生地を使う人形づくり体験は大人気。数年がかりで樋浦さんのもとに通って学ぶお客さんもいるといいます。
たくみの里では、毎年3月から「たくみの里つるし雛めぐり」が始まります。つるし雛は、女の子の健やかで美しい成長への願いを込めて、1針1針に丁寧につくられるひな祭りの飾り。この季節には、つるし雛があちこちに飾られたたくみの里をめぐってから、つるし雛づくりを体験するのもお薦めです。

こちらの家では、もう一つ「石画」も体験が可能です。「石画」のたくみだったご主人と二人で始めた「人形と石画の家」を、ご主人亡き後に樋浦さんが引き継いで続けています。
「石は全国各地で採ってきます。自分が何を描きたいか考えるのではなく、石が何を描いてもらいたいかですよね」
拾った石がどんなものに見えるか、形を見ながら何を描くかを決めるそう。樋浦さんの作品は、石の形に合わせて動物が描かれていますが、中でも作品数の多いのがネコ。
「目と鼻を結ぶときれいな三角形ができるので、絵付けがしやすく、石画の基本ともいえるモチーフなんです」
石画づくり体験では、丸くて絵付けのしやすい淡路島の御影石を使って、ネコの石画をつくることができます。
人形と石画、それぞれに作品づくりの楽しさに触れることができる体験。“自分だけのひとつ“をぜひつくってみてください。

今回紹介したたくみの家

人形と石画の家