色とりどりの反物を使った吊るし雛や人形が並ぶ「手作り工房 千の樹」。店主を務める宮本恵美子さんは、たくみでもありながら他の仕事もこなすほどパワフル。その明るく元気な人柄に触れながら、おしゃべりやお買い物が楽しめます。
たくみの紹介
Vol.25
手作り工房 千の樹
宮本恵美子
Vol.25
宮本恵美子
色とりどりの反物を使った吊るし雛や人形が並ぶ「手作り工房 千の樹」。店主を務める宮本恵美子さんは、たくみでもありながら他の仕事もこなすほどパワフル。その明るく元気な人柄に触れながら、おしゃべりやお買い物が楽しめます。
群馬県みなかみ町のたくみの里から少し離れた地域で暮らしていた宮本さん。当時勤めていた宅配業で配達に訪れていたことがたくみの里との出会いのきっかけだったそう。配達を続けるにつれ、里に暮らす人々に出会い、その温かな雰囲気からたくみの里へ移ることを決心。1999年に「手作り工房 千の樹」をはじめました。
「ちょうど50歳になったら何か新しいことをはじめようと考えていた矢先に、ここでお店をやらないかという話をいただいたんです。その時は49歳で1年早かったけど、善は急げと思ってこの家をオープンしました。実は宅配業も同じ時期に別の会社に移って心機一転再開する予定が決まっていたんです。それならいっそのこと、両方やろうと。今でも近隣の方々に荷物を配達しながら、この家を運営しています」
平日は宅配業、週末は「手作り工房 千の樹のたくみ」と、二足の草鞋を履くエネルギッシュな宮本さん。もともとものづくりが好きで、さまざまな習い事をするなかで人形づくりに出会ったそう。その後、「手作り工房 千の樹」をオープンしてから約20年以上にわたって定期的に人形づくりの教室を開いています。
「はじめの頃は体験も受け入れていたんですが、やっぱり二足の草鞋を履いていると時間的にも無理があって(笑)。たくみの里にはほかにもたくさん体験できる場所があるから、私は自分の制作をしながらできる少人数の教室を開こうと決めたんです」
こじんまりとした店内で一際目をひくのが、着物を再利用した反物。鮮やかな発色のものから、落ち着いた色合いまで、多彩な古布が棚に並びます。さまざまな布を組み合わせてできた人形は、つい手に触れたくなるようなころんと愛らしい形が印象的です。「どの布を使おうか考えている時が一番楽しい。気に入ったものは仕入れちゃうから布がどんどん増えていっちゃうんだけどね」と笑う宮本さん。色彩豊かな人形と宮本さんの朗らかな人柄に包まれた「手作り工房 千の樹」は、たくみの里きっての元気みなぎる場所です。