かつてはたくみの里のある群馬県みなかみ町の暮らしに根付いていた竹細工。河合生博さんが営む「竹細工の家」では、竹とんぼや一輪挿しなどの竹細工を昔ながらのつくりかたで体験することができます。
たくみの紹介
Vol.24
竹細工の家
河合 生博
Vol.24
河合 生博
かつてはたくみの里のある群馬県みなかみ町の暮らしに根付いていた竹細工。河合生博さんが営む「竹細工の家」では、竹とんぼや一輪挿しなどの竹細工を昔ながらのつくりかたで体験することができます。
「竹細工の家」は、たくみの里に一番最初にできた家のひとつ。現在店主を務める河合生博さんは2代目。長年竹細工のたくみだった先代から2010年頃に家を引き継ぎ、近隣の方と協力しながら運営を行っています。
「竹細工を教えられる人はどんどん減っていっているのが現状。昔は竹籠をつくれる人もこの地域には多くいたけど、今はめっきりいなくなってしまいました。僕たちの世代は子どもの時に、切り出しナイフで竹や木を削って工作するのが普通だったけど、今はカッターナイフですら使う機会が減っています。学校でもなかなか扱うことがないぶん、子どもたちには竹細工を通じて正しく安全にナイフやノコギリの扱い方を教えています」
学校の課外授業でも多くの子どもたちが訪れる「竹細工の家」。体験では、一輪挿し、紙鉄砲、竹とんぼの3種類をつくることができます。「大人よりも子どもたちのほうが先入観がなくて上手につくれるんですよ」と笑う河合さん。竹細工を教えるだけではなく、材料となる竹も河合さんご自身の山で育ったものを伐採。多い時には毎月竹を採るのだそうです。
「竹は乾燥し過ぎると加工が難しくなるから、できる限り新鮮なものを用意しています。もちろん採ってきてからも洗ったり切ったりしないといけない。手間はかかるけど、しっかり下ごしらえすることで体験しやすくなるし、できあがりも良くなる。普段の生活ではなかなかできない貴重な体験だからこそ、良いものをつくってもらいたいなと思っています」
「竹細工の家」のたくみ以外にも、ブルーベリーやリンゴの果樹園の運営、「竹細工の家」の向かいに建つペンション「ポミエ」の店主とさまざまな顔を持つ河合さんは、先祖代々この土地に暮らす生粋のみなかみっ子。歴史や郷土にも詳しいまさに生き字引のような存在です。ぜひ「竹細工の家」へ訪れた際は、昔ながらのものづくりを教わりながら、みなかみやたくみの里の歴史に触れてみてください。