たくみの紹介

Vol.23

ふれあいの家

本多 嘉則

採って、つくって、食べて。
里の恵みをもれなく楽しめる場所。

体験、食事、お買い物……、さまざまな楽しみが揃うたくみの里。本多嘉則さんが営む「ふれあいの家」には、そば打ち体験ができるだけではなく、旬の農作物が買える直売所、打ちたてのそばが食べられる食事処と、たくみの里の食体験が詰まっています。

1994年に本多嘉則さんのご両親が開いた「ふれあいの家」。もとは農業を営んでいたご両親でしたが、たくみの里ができたことを機に「ふれあいの家」を開店。農業のかたわら、そばや定食を提供する食堂からはじまりました。それから10年経った頃に嘉則さんが参加。当時のことを嘉則さんはこう振り返ります。

「僕がふれあいの家に入ったばかりの時はまだ食堂一筋でした。自分たちで農業をやっていることもあって、食事を提供する以外にもできることはあるのでは、とはじめたのが自家栽培のそばを使ったそば打ち体験でした。そこから直売所や農業体験と広がっていって、一時は民泊も経営していたこともありました」

そばはもちろん、「ふれあいの家」で扱う野菜や果物のほとんどは嘉則さんと家族が育てたもの。直売所では採れたての旬の農作物が並び、そば体験では、ひきたてのそばの香りをたっぷり感じられる十割そばを打つことができます。さらに、さくらんぼやブルーベリーなどの収穫体験のほか、田植えや野菜の収穫などの食育体験も実施。里の恵みを余すことなく生かした体験を用意しています。

「食育や農業体験と聞くと子ども向けのように聞こえますが、案外熱中するのは大人のお客さんのほうが多いんです。普段の生活では、そばを打ったりすることってなかなかない。大人も子どもも没頭する新鮮な体験だと思います。でもやっぱり食の体験で大切なのは、おいしさ。体験や食事を通じて『おいしかった』という声を聞いたときが一番嬉しいですね」

今でも嘉則さん一家が分業しながら運営している「ふれあいの家」。農業を担うのはお父さんと弟。嘉則さんとお母さんが食堂と直売所を切り盛りしています。「農業の兼ね合いで冬はお店を閉めているけど、できれば四季を通じて里のおいしさを届けたい」と話す嘉則さん。農業から食事まで、訪れるたびに違った体験が楽しめる食の体験工房です。