たくみの紹介

Vol.17

豊楽館 体験道場

鈴木 祥子

大人も子どもも夢中になる!
地元の食材に触れて知る、群馬の食文化

たくみの里の玄関口・豊楽館。総合案内所や、地元の食材を扱う直売所を設ける道の駅である一方、体験道場としての役目も担っています。この道場の指南役を務める鈴木祥子さんが教えてくれるのは、そば打ちとこんにゃく作り。地元産の材料をたっぷり使った食体験が楽しめます。

夏になると辺り一面にそば畑の広がるたくみの里。みなかみは一日の寒暖差が大きく、味の深いそばが育ちます。「そば打ち体験で使うそば粉は地元で採れたもの。香り高く、コシもしっかりでるんです」と鈴木さん。2005年からたくみの里に勤め、そば打ちやこんにゃく作りを教えるたくみです。

「そば打ち体験でつくるのは、そば粉8:小麦粉2の二八そば。一般的な割合ですが、きれいに生地を伸ばして切るのは至難の業。だけれど、丹精込めて自分の手で打ったそばは格別ですよ!」

そば打ちと並んで人気なのが、こんにゃく作り。群馬県は日本一のこんにゃく芋の生産量を誇り、全国の生産量の90%が群馬県で栽培されています。「体験でつくるこんにゃくは、市販のものとは全然違うんです」と鈴木さん。生芋から手づくりすることで、舌触りや風味ががらりと変わるといいます。

「市販のこんにゃくのほとんどは、こんにゃく芋を粉末にしてつくったもの。気泡もなく、つるつるとした食感ですよね。生芋からつくったこんにゃくには、細かな気泡がたくさん入ります。気泡が入ることで、歯応えも良くなり、味がぐんと染み込みやすくなる。手作りでしか生まれない味わいです」

鈴木さんの言葉の通り、手でこねたこんにゃくは、ぷりっとした歯触りで、噛むごとに芋の優しい香りが鼻を抜けていきます。一度食べると「これまでのこんにゃくが食べられなくなる!」という人もいるほどだそう。

「昔ながらのこんにゃくづくりを知る機会はなかなかないはず。群馬県のご当地食材でもあるので、ぜひ多くの人に体験していただきたいです」

どちらの体験も子どもより大人の方々に人気なんですよ、と微笑む鈴木さん。確かに体験を進めるうちに、大人のほうが夢中になってしまいます。作ったそばとこんにゃくは、お土産として持ち帰り可能。地域の食文化にじかに手で触れて、食べて知る場所です。