たくみの紹介

Vol.11

農産物加工の家

阿部 しげ子

里の恵みを堪能する!
"おいしい"が詰まった食の体験工房

夏から秋にかけて、あたり一面に咲き誇る、真っ白で小さく、はかなげなそばの花。素朴だけどうっとりするように美しいそんな光景も、たくみの里の風物詩です。阿部しげ子さんが店主を務める「農産物加工の家」では、自家栽培したそばを使ったそば打ち体験やうどん打ちを始め、たくみの里の自慢の農産物を使った、お腹も大満足な体験を楽しめます。

 たくみの里のある群馬県利根郡みなかみ町で生まれ育った阿部さん。2005年に「農産物加工の家」を始める前から、地域の人たちと一緒にそばを打ち、周辺の温泉施設などに卸していました。実は阿部さん、群馬県からも認定を受けたそば打ち名人。背筋をぴんと伸ばし、手際よく淡々とそばを延ばす姿はまさに"たくみ"です。

「使っているそば粉は、全部自家栽培したもの。7月頃に採れる夏そばと11月頃に採れる秋そばの2種類がありますが、寒暖差のより大きい時期に採れる秋そばは、夏そばとよりもぐっと味わいが深い。一般的な蕎麦の多くは二八そばですが、『農産物加工の家』の体験でつくるそばは、そば粉が7割の“三七そば”。そばの味はしっかり活かしたまま、はじめての方でも打ちやすいように工夫しています」

 そば打ちと並んで人気を集めているのが、こちらも自家栽培の小麦を使ったうどん打ち体験。群馬県は古くからうどんも有名で、幅広で薄い麺のひもかわうどんや、渋川市・水澤寺近辺の水沢うどんなどは群馬の名産品として知らます。
うどん打ちのたくみでもある阿部さんが力強くこねるうどんは、コシものど越しも抜群! もちろん自分でつくることも好きだけど、体験に訪れたお客さん喜ぶ顔を見るのが一番の楽しみだと阿部さんはいいます。

「多少不格好になったとしても、打ちたて、茹でたての味は本当に格別。皆さんが自分たちで打ったそばやうどんを、おいしそうに食べているのを見ると、そば打ち、うどん打ちの魅力が伝わったんだなあと、うれしくなりますね」

 多い時には1度に60人ほどが訪れるという人気の「農産物加工の家」。食事処もあり、阿部さん手打ちの十割そばやうどんが楽しめます。ほかにも、たくみの里で採れるりんごをたっぷり使ったアップルパイづくりや、子ども向けの漬物体験なども可能。さらに旬の果物の販売も行っている、たくみの里のおいしいものがギュッと詰まった場所です。

今回紹介したたくみの家

農産物加工の家