たくみの紹介

Vol.6

草木屋 染めの家

山崎 杜人

自然を愛おしむ優しい手仕事。
技と個性が光るたくみの里の新しい風

 木の根や葉など天然のものを使って布を染める草木染め。山崎杜人さんが営む「草木屋 染の家」では、さまざまな文様や色彩で染め上げた布に触れて、草木染の優しさを感じることができます。

 群馬県高崎市出身の山崎さんは、先祖代々染めものに携わってきたという生粋のたくみ。山崎さんの曽祖父である山崎斌(あきら)さんは、いまでは一般的になった「草木染」という言葉を生み出した草木染めの第一人者として知られています。

 山崎さんは、「草木屋 染の家」を始める以前は、群馬県富岡市にある実家の染物屋さんで働いていました。県内のクラフトフェアに出店が縁でたくみの里とつながり、2017年の冬に「草木屋 染の家」に独立したといいます。
 屋号の「草木屋」は、90年以上にわたって山崎家に受け継がれているもの。山崎さんの父であり、「草木屋」三代目の山崎樹彦さんから受け継いだ技と意志、そして山崎さん自身の個性が光る草木染めを次々と生み出しています。

 たくみの里へ移ったことをきっかけに、仕事の楽しみにも変化があったと山崎さんは話します。
「富岡で働いていた時は、経験者の方への草木染めのレクチャーや、染料となる草木の研究、作品の発表などがかなり専門的な仕事がメインでした。ここでは、たくみの里に来られたお客様に喜んでもらうことが一番の仕事。草木染めは初めてという方も多く、老若男女さまざまな方と交流できる楽しさがありますね」

 「草木屋 染の家」でできるのは、主にハンカチやストールなどの藍染体験や、500種類の型紙を使った手ぬぐいづくり体験。くわえて山崎さんは自身の作品も制作し続けていて、県内の博物館や台湾のギャラリーなど、国内外で精力的に草木染めの作品を発表するアーティストでもあります。

 「作品を制作するうえで毎回心がけるのは、何かしら新しい技術を取り入れること。小さな変化であれ、今までになかった染めの技法を試す機会を設けるようにしています」

 教育や環境活動にも興味があるという山崎さんは、たくみの里の周辺に広がる自然を守る活動や、子どもたちとのワークショップなども考えているそう。さらに冬には、天然の紅を使った昔ながらの口紅つくりワークショップを行うなど、布染めだけにとどまらない草木染めの楽しさを伝えています。

今回紹介したたくみの家

草木屋 染の家