たくみの紹介

Vol.13

ガラスの家

中澤 和夫

何度でも訪れたくなる、
人情味あふれたガラス工房

ガラスの器に砂を吹きつけて絵や模様を描く“サンドブラスト”。中澤和夫さんが営む「ガラスの家」では、さまざまなかたちのコップや器に、自分だけの模様をつけるサンドブラストの体験ができます。

1998年に始まった「ガラスの家」の店主を務める中澤さん。みなかみ町・月夜野にあるガラス会社で、20年以上吹きガラスに心血を注いできた、筋金入りのガラス職人です。

「かれこれ40年くらいこの仕事を続けているけれど、やっぱりガラスに触れている時間が好きですね。半分が仕事、半分は自分の遊び場のような感覚でこの『ガラスの家』をやっています。その楽しさを子どもたちにも感じてもらいたいなあ。仕上がりを見た時の子どもたちの笑顔が何よりうれしいね。思い通りの絵が描けた時の達成感はひとしおですから。もちろん、体験では刃物を使うから、厳しく教えることもありますよ!」

研磨しやすい絵柄を考えることが、「いちばんの仕事なんだよ」と中澤さんが見せてくれたのは、さまざまな絵柄の下絵。中澤さんが一枚ずつ切り抜いた下絵は、なんと300種類以上にも及びます。

体験で使うのは、透明なコップではなく、青や赤など色のついたコップ。使う器にもこだわりがあると中澤さんが教えてくれました。

「日本の工房で、色ガラスを使って体験できる場所は実はあまりないんです。無色透明のガラスに比べて仕入れも大変だけど、ガラスに触れる時間を特別なものにしてほしい。せっかく来てくれる方たちに、充実した思い出を持って帰ってほしいんです」

「ガラスの家」は体験だけではなく、学びや交流の場でもあるんだよ、と中澤さん。体験を通じて人とつながることが何より楽しいと語ります。

「体験してくれた子どもたちが『おじさん、楽しかったからまたきたよ』と再び訪ねてくれるとうれしいですね! 学校の体験できた子どもが大人になって、子どもを連れてきてくれたこともありました。思い出話もあれば、苦労話にも花が咲く。商売ではあるけれども、人と繋がれる場所でありたいんだよね」

ちょっぴり厳しい! けれど、お客さん一人ひとりとの会話を大切にする中澤さん。その人柄に惹かれて、何度も訪れたくなるのも頷けます。「ガラスの家」には、今日もにぎやかな笑い声が響き渡っています。

今回紹介したたくみの家

ガラスの家