豊楽館から北に歩いてすぐ、庄屋通りの角に建つ「ドライフラワー」の家。店主の藤井輝子さんが丁寧に仕立てた色鮮やかなドライフラワーで、フラワーアレンジメントやハーバリウムづくりが体験できます。
たくみの紹介
Vol.17
ドライフラワーの家
藤井 輝子
Vol.17
藤井 輝子
豊楽館から北に歩いてすぐ、庄屋通りの角に建つ「ドライフラワー」の家。店主の藤井輝子さんが丁寧に仕立てた色鮮やかなドライフラワーで、フラワーアレンジメントやハーバリウムづくりが体験できます。
若い頃から生け花やフラワーアレンジメントを趣味で学んでいた藤井輝子さんが「ドライフラワーの家」をはじめたのは1999年のこと。藤井さん自身がつくったアレンジを販売しようとお店を開いたそうですが、販売を続けるうちに体験を希望する声が増え、2005年に現在の「ドライフラワーの家」になりました。
「趣味でアレンジをつくっていた頃は生花を使うことがほとんどで、ドライフラワーの存在を知ったのは実はたくみの里に引っ越してきてから。長く楽しめるのもあって、すっかりハマってしまい、ドライフラワーでアレンジをつくりはじめました。オープン当初は自宅で販売や体験をしていたのですが、だんだんと手狭になってきてしまって。できるだけ多くの人に楽しんでもらいたい気持ちもあって、この家を建てました」
気軽にドライフラワーに触れてもらえる場をつくりたいと話す藤井さん。「ドライフラワーの家」で扱う花のほとんどは自家栽培。藤井さんのご主人が季節の植物を育て、藤井さんが乾燥や染めを行っています。年を追うごとに花の収穫量が増え、今では1年で使い切れないほどに育つようになったといいます。アジサイやラベンダーをはじめ、育てる花は年間を通じて10種類ほど。さまざまな色やかたちの花が揃うなか、鮮やかな色に染まったドライフラワーには、藤井さんが長年培った技が光ります。
「染めはドライフラワーづくりで一番気にかける工程のひとつ。花の本来の色や乾燥した時の特徴を見極めることで鮮やかな色に染まります。用途によって色の濃さを変えるのも大事。ハーバリウムはオイルに色が移りやすいので、淡い色に染める必要があります。思い通りの色に染まるまで何度も試行錯誤するぶん、綺麗に染まった時の嬉しさはひとしおです」
旬の時期には、染めを待つドライフラワーの束が天井裏にずらり。じっくり乾燥した後、藤井さんがひとつずつ染めていきます。「ドライフラワーとはいえ、花は生き物。時間が経つにつれて色褪せてしまうものだけど、その変化も楽しんでもらえたら嬉しい」と藤井さん。見ているだけで元気がでるようなカラフルなドライフラワーには、花を大切に思う藤井さんの気持ちが詰まっています。